お知らせ

2023/02/19

Amazon Dash Cartを使ってみて

2023年2月8日~16日までアメリカに行っておりました。

メインの目的は、ロサンゼルスで展開されているAmazon系のDXを視察、体験することです。

2月上旬にアマゾンは「Amazon Freshの今後新規出店を凍結する」とのアナウンスがあり、今後のAmazon Freshの動向は不透明な状況です。なかなかリアルではネットような反応が得られていないようです。

Amazon Freshのツールの一つになっているAmazon Dash Cartはセンサーを内蔵し、その場でのスキャン、入力で自動的に精算ができ、レジを使用せずに買い物ができます。実際に3店舗のAmazon FreshでAmazon Dash Cartを使ってみました。

Amazon Fresh店頭。

入口に並ぶAmazon Dash Cart。左側の写真ではあらかじめ買物袋がセットされ、その中に入れていけば、精算後取り出すだけです。

初期画面。

Amazon Dash Cartを使用するには、アメリカのAmazonプライム会員になる必要があります。

プライム会員になると、アマゾンのショッピングアプリを立ち上げるとメニューに「In-Store Code」が表示され、そこをタップすると、QRコードが表示され、それをスキャンすることで買い物ができるようになります。

まず、最初の買い物はこんな感じでした。

慣れていないので、2度スキャンしてしまいましたが、カートには重量センサーがあり、画面上は1個として認識されていました。Amazon Dash Cartの一つのポイントがこの重量センサーです。重さによって、買い物時の間違いを防ぐだけでなく、不正防止にもつながるシステムになっています。

一度スキャンした商品を取りやめて、キャンセルしました。商品を取り出すと、重量センサーが反応し、購入が取り消されました。画面上では商品名に横線が引かれ、購入されていない状態になりました。

バーコードのないオレンジを購入してみました。 カートの中に入れると、エラーメッセージが出てきます。 と同時に、購入候補が画面上に表れ、オレンジが出てきました。 場所が認識されているので、想定する購入アイテムが画面に出てくる仕掛けになっています。 オレンジのボタンを押すと、商品を一度取り出すようにメッセージが出てきます。

取り出した後、画面上でオレンジを入力してから、カートの中に入れます。 量り売りで重量センサーで認識し重さを確定すると、金額が入力されます。

次にPLU入力での買い物です。 ショーカードに記載されているPLUを入力し、商品があっていれば、オレンジと同様、カートで重さを認識し、会計されます。

最後にカートを出れば自動的に精算されます。

なかなかな優れものといえますが、既存のレジやカートと革新的な違いや価値があるかというと、決定的な差はまだ感じられないのも事実です。結構重量感もあり、男性の使用が目立っていたのも問題があるように感じました。

今回は使っていませんが、レコメンドやアプリと連携したショッピングリスト、クーポンをはじめとしたプロモーションは、まだメリットとしての訴求までは至っていないようです。

しかしながら、このAmazon Dash Cartはさらに進化し、新たなツールとしての可能性を秘めているのは間違いありません。自動運転やピックアップができるようなれば、バーチャルでの買い物ツールとして買い物難民や遠隔でのサポートとして過疎地域での出番が考えられます。また、人手不足の中、不正防止や生産性向上にもつなげられそうです。

このツールをいかしながら、買い物の楽しさを伝えていけるかがポイントになっていくよう気がします。

多くが向かい側の人のように通常のカート(オレンジ色)を使用していました。通常のカートは7割くらいの利用でしょうか。ちなみに、右側の男性は電話で指示を受けながら買い物していました。ある意味での遠隔買い物ですね。右奥は店頭で買い物客に商品を届けるカーブサイドピックアップのスタッフ。店内ではこのスタッフが圧倒的に多く、10個前後の買い物を一人で対応しています。もちろん指示はスマホ端末からです。

数少ないAmazon Dash Cartの女性利用客。アプリの情報チェックか、スマホを見ながら買い物していました。

Amazon Freshでは4店舗買い物してきましたが、どのお店も買い物客の姿がまばらでした。

素早く買い物を済ませられるため、滞在時間が短い可能性もありますが、私がいた時間を考えるとその可能性は低そうです。売れ筋に偏った商品構成、生鮮品の割引品が目立ち鮮度面での不安、商品欠品状態など、いくつかの要因は考えられます。お客様は何を目的にわざわざそのお店に足を運ぶのか、その理由を考える意味でもAmazon Freshの動向はポイントになってきそうです。

年月別アーカイブ